8. LEONARDとアジア
そして彼の二番目の祖国となる日本へ初めて旅行しました。日出ずる国、日本と彼との間には、彼が日本で驚異的成功を収めたことからも窺えるように本物の愛情があり、ある種の類似性があります。蘭、幾何学的に図式化された植物、海の花など左右対称の構図、19世紀後半のフランスの画家たちを熱狂させた、そしてその結果日本人に印象派が好まれる要因の一つにもなった、日本の版画を連想させる手法です。
彼は完璧な均衡、喜び、神秘性、魅惑を追求して色彩を展開します。日本の美とトリブィヤールの美は相互に尊敬し合っているのです。
LEONARDのブティックは日本に106あります。1983年に日本からレオナールブランドでの着物のシリーズを依頼された時、ダニエル・トリブィヤールは2642年の歴史を誇る日本の伝統的な着物の制作の秘密に入り込むという貴重な経験をした唯一の西洋人でした。
ダニエル・トリブィヤールは蘭をはじめ日本の象徴的な花について研究し、それをモチーフに、1984年、初めて着物のコレクションを発表して、大成功をおさめました。
写真:着物パンタロン、生け花のデザイン 1992年春夏コレクション
(リヨン織物美術館,
All rights reserved.)
LEONARDとルックス全体像
ルックス全体像はLEONARDの芸術の複雑な方向性の結果。
色調は変化し、モチーフのプリントの仕方も時折刺繍のきいたものに変化する。
しかし基軸がデッサンというのは不変。
写真:ルビーシリーズを紹介するダニエル・トリブィヤール (Leonard, All rights reserved.)
LEONARDの花
ダニエル・トリブィヤールの世界は夢の庭園です。LEONARDのトレードマークであり彼が崇拝する蘭をはじめ東洋の花でいっぱいの。
La
femme LEONARD(女性向け)は、花びら、あるいは花開いたブーケをまとった花の精。彼のイマジネーションが華やかに開花した作品です。彼は画家です。明度やシュヴルィユ*の原理を用いて色を重ね、混ぜる。とぎすまされたラインの中に光を見出す。ダニエル・トリブィヤールは花に情熱を持つと共にオプティカル・アート、白黒の厳格さに、またメキシコ、コプトのデッサンの図案化にも魅入られています。
*色の三原色の理論発見者
写真:クチナシのビュスティエ、ミニドレス 1986年春夏コレクション
(リヨン織物美術館,
All rights reserved.)
LEONARDと野獣
LEONARDにおけるもう一つのライトモチーフ野獣、このブランドがよく使う、そして目印となる文字通り特徴。fully
fashioned技法でプリントされたヒョウ柄のセーターから黒字にブルーのヒョウ柄シース・ドレスまで、LEONARDの野獣シリーズは幅広く、独創的。
写真:野獣プリントのネクタイ
(リヨン織物美術館,
All rights reserved.)
LEONARDの特異性、芸術家のような仕事
ダニエル・トリブィヤールは服をデッサンするデザイナーではなく、その作品が服になるアーティスト。デッサンは服とは切り離して考えられ、絹の生地にプリントされ、そしてそれが服となる。
LEONARDの服を着る女性は、独自のデッサンなので、唯一の「絹に描かれた絵」をまとっているということになる。
ダニエル・トリブィヤールは彼の創作を革新し、ビジュアル的にだけではなく技術的にも常に新しいものに挑戦するためにリヨンの伝統技術を用いる。
モードのための技術
LEONARDが使用している布地はリヨン地方の技術でプリントされたもの。完成に必要な基本的な2つの段階:製版とプリント。
製版技法:製版、凸版、フレームの作成。次に薄布に凸版のモチーフを移す。そして吸い取り紙にデッサンをプリント。最後にフレームを印刷機へ。
プリント技法:プリントすべき布の端を留め、フレームを通し、乾かし、洗浄。
1964年、fully-fashionedの国際特許申請:ニットのセーターのフォーマットにプリントする技法。1970年代からダニエル・トリブィヤールはcoupé-cousuと言われる技術で絹のジャージーにプリント:プリントは連続した布のパネルの形で行われる。1976年、ダニエル・トリブィヤールはsilkover
fully-fashionedを発明、セーターと絹のスカーフの合体。1991年にリバーシブルネクタイの国際特許を申請。
ローヌアルプ地方での布地プリントの歴史
18世紀末、布地プリントの技術はローヌアルプ地方で発達。19世紀始めから特にリヨンの周りに工場が設立される。産業博覧会、そして万国博覧会により特にスカーフのプリントでSandozやJandin-Duvalなどのリヨンのプリント業者の才能が評価された。リヨンの産業は非常に有名になり、そのおかげで現在もVilleurbanneのles Ateliers A. S.,P. R.
B. , Viannay やCedric
Brochier Soieriesなど複数企業がLEONARDと協働している。
プリント産業で他に主要な地域には1840年代から布地プリントをしているイゼールの北がある。19世紀の半ばからBourgoin-Jallieu地域へプリント産業の社会が形成されるが、本社は1928年から平らなフレームへのプリントを専門とするDolbeauのようにリヨンに残る。
写真:睡蓮のデッサン、1993年春夏コレクション
(リヨン織物美術館, All rights reserved.)
LEONARDの歴史と今日:不変と変化
LEONARDのスタイルは独特で奇抜。いくつかのモチーフがしばしば使われるので見分けがつきやすい。完璧な左右対称で数学的な、コプト芸術やアズテック芸術に着想を得た幾何学的モチーフがそのよい例。
写真:アロエのミニドレスの部分 1997-1998年秋冬コレクション
(リヨン織物美術館,
All rights reserved.)
ダニエル・トリブィヤール、ある企業家の成功
1954年 ダニエル・トリブィヤール、ジャック・レオナール社に入社
1958年 ダニエル・トリブィヤール、レオナール・ファッション社の副社長兼アートディレクターに任命される。fully fashioned(布地へのプリント技法)の発明、fully fashionedセーターの成功。
1970年代初頭 ダニエル・トリブィヤールは絹のジャージーにプリント(maille interlock)。 世界的な成功を収める。初のコレクション開催。
1987年 ダニエル・トリブィヤール、レオナール社の社長就任。イタリア人、ラッティの助力で軌道に乗せる。
1992年 男性向けシリーズ開始。上海でコレクション開催。
1994年 LEONARD、オートクチュール、プレタポルテのファッションデザイナーフランス連盟メンバーに。カルーセル・ドゥ・ルーヴルで初めてのファッションショーを開催。
1996年 ジョニー・ホリデーと知り合い、コンサート衣装のデザイン。1998年に東欧へ進出開始。
2001年 レジオン・ドヌール勲章(la Legion d'Honneur)オフィシエ、学術功労勲章(l'Ordre des Palmes Academiques)シュバリエを受章。同様に1989年には国家功労勲章(l'Ordre national du Merite)芸術文化勲章(l'Ordre des Arts et Lettres)を受章している。
2005年 最新のブティックを東京の銀座にオープン。
写真:レオナール社 社長 ダニエル・トリブィヤール (Leonard,
All rights reserved.)
この展覧会では、LEONARDの衣装131、デッサン24、服へのプリント版27をはじめとして、アクセサリー、テーブルウェア、香水、絹など100点ほどが加わった300点以上のオブジェをご覧頂けます。
会場の演出はTERGのミッシェル・アルベルティによるものです。(彼はジャックマール・アンドレ美術館でのナポレオン財団の財宝展、凱旋門でのナポレオン展などを手がけています。)視覚、触覚(LEONARD
の布地に触れる)、聴覚(音楽、ファッションショーのビデオ)、嗅覚(LEONARD
の香水)全てを刺激する魅力的な演出です。
写真:LEONARDの衣装をまとうモナリザ
(Leonard, All rights reserved)